糖尿病患者の足の検査情報サイト

■血流検査(非侵襲性血流検査)

末梢動脈疾患(PAD)が疑われる方には血流(血行)の検査が行われますが、 そのうち非侵襲性(ひしんしゅうせい)、つまり体を傷つけたり体内に器具を入れたりする 必要のない検査には主に次の3つがあります。

SPP(レーザードップラー)

SPPとはSkin Perfusion Pressure(皮膚還流圧)の略で、血行を調べたい場所にセンサーが付いたカフ(血圧を測るときのベルトのようなもの)を巻き、(皮膚還流圧)を測定するものです。

ABI足関節・上腕血圧比

足首と腕の収縮期の血圧比を測定するもので、比較的簡易に行うことができます。 但し動脈の中が石灰化していると精度が低いことがあります。

TcPO2(経皮酸素分圧)

皮膚の上にあてたセンサーで血管を拡張させ、皮膚の酸素レベルを測定するものです。 検査時間が長く、むくみやタコ(胼胝)があると誤差が生じることもあります。 また足の裏や足の指では測定できません。

■血管造影検査(アンギオグラフィー)

血管造影検査(アンギオグラフィー)とは?
血管造影検査画像

末梢動脈疾患(PAD)が原因の創傷があり、PTA(経皮的血管拡張術)末梢バイパス術など血流の改善が必要と診断された方に行われ、血管のどの部分が狭くなっていたり詰まっているかを正確に検査するもので、アンギオグラフィーとも呼ばれます。

この検査ではカテーテルという細いチューブを血管の中に挿入して、カテーテルを通して造影剤を血管内に送り込んだ状態でレントゲンを撮ります。

造影剤によって動脈がレントゲン写真に映し出されますので血管の詰まっている箇所や問題のある箇所を知ることができます。

検査の前に…

  • 以前造影剤でアレルギーを起こしたことがあったり、腎臓に疾患のある方は事前に担当医や看護師にお知らせください。
  • 他、担当医や看護師から指示された事項に従ってください。

検査手順

  • カテーテルを挿入する前に局所麻酔をしてカテーテル挿入が痛くないようにします。
  • 医師がX線透視を見ながらカテーテルを血管内に挿入します。
  • カテーテルを通して造影剤を血管内に注入し、レントゲン写真を撮ります。

■MRI検査(エムアールアイ)

MRI検査とは?

Magnetic Resonance Imagingの略で日本語では核磁気共鳴画像法といいます。 この検査によって体内の詳細を画像で診断することができます。
MRI検査ではX線を使わず、強い磁気とラジオ波を一緒に使って鮮明な画像を作り出します。
身体に害の無い磁気とラジオ波を使うため、放射線による被曝の心配がありません。

創傷治療におけるMRI・・・骨髄炎

深い創傷があると心配なものに骨髄炎があります。 これは微生物などによって引き起こされる骨の感染のことで、骨が感染すると骨の中に膿がたまり、そのままにしておくと膿が骨への血行を妨げ、慢性骨髄炎にかかったり、他の部分に感染が拡大して、敗血症にかかるおそれもあります。
また骨髄炎の悪化で切断となるケースも見られます。
骨まで届くような深い傷があると骨髄炎になっている可能性が高いため、MRIで確認する必要があります。

骨髄炎にかかっていることが確認されたときは、感染を無くして悪化を防ぐ治療が行われます。
通常は抗生剤により感染の原因となっている微生物を退治します。
感染がひどい場合は、壊死した骨を取り除く手術が行われ、手術後も抗生剤を最低6週間続けることが多いです。

検査の前に…

  • MRIは強い磁石を使いますので、検査の前には腕時計やアクセサリーなどの金属類を外します。
  • 化粧品の中には微量の金属を含むものもありますから、化粧もあらかじめ落としておきます。
  • 歯の矯正器具や詰め物は通常問題にはならないようです。
  • 検査時間はだいたい1時間ほどかかります。

また以下の項目に当てはまることがあれば、担当医もしくは看護師にあらかじめ伝えておく必要があります。

  • 以前手術を受けたことがある。
  • ペースメーカーなどが体内にある。
  • 金属のボルトなどが体内にある。
  • 刺青がある。
  • 妊娠している、妊娠している可能性がある。
  • 閉所恐怖症である。

検査手順

  1. 用意された検査用衣服に着替えます。
  2. 検査用ベッドに横たわり、体を固定します。
  3. MRIの機械音がうるさく感じられるかもしれません。
    耳栓や音楽の聞こえるヘッドフォンが用意される場合もあります。
  4. 必要に応じて造影剤を注射されることもあります。
  5. ベッドに横たわるとそのベッドが移動して磁気のトンネルのようなものの中に入って検査が行われます。
    トンネルの中に入っていても検査係と会話をすることができます。
  6. 検査中はじっとしている必要があります。検査係から体の向きを変えたりするよう

■レントゲン検査

レントゲン検査とは?

レントゲン検査とは、目に見えないエックス線という電磁放射線の一種を体の一部にあて、エックス線を体の後ろ側にある感光板に焼き付けるものです。
皮膚や筋肉など組織の密度が比較的低い部分はエックス線が透過するため感光板が黒くなりますが、骨のように組織の密度が比較的高い部分は感光板にエックス線が届かないので白く写ります。 そのため骨折や骨の病気を調べるのに非常に有効な検査なのです。

創傷治療におけるレントゲン検査・・・1.骨髄炎

MRI検査の項で詳しく紹介していますが、深い創傷があると心配なものに骨髄炎があります。
骨髄炎が悪化すると、骨融解といって、骨がぼろぼろと崩れてしまう症状が起きることがありますから、レントゲン検査をして骨融解の場所を見つけ、崩れてしまった骨を取り去る手術が必要です。

創傷治療におけるレントゲン検査・・・2.シャルコー足

シャルコー・マリー・トゥース病(通称・シャルコー足)とは、主に下肢や足の神経や筋肉に障害を起こす遺伝的な病気で、足の変形を起こすことがあります。
足が変形すると、出っ張った部分に圧がかかって治りにくい創傷ができてしまいます。
この場合もレントゲン検査をして変形の様子を調べ、除圧などで傷の部分があたらないようにしたり傷ができないようにする必要があります。

■感覚検査

糖尿病性末梢神経障害

糖尿病の方において高血糖の状態が長く続くと神経にダメージを与えることがあります。
そのダメージは神経障害と呼ばれますが、そのもっとも一般的なものが足や下肢に起こる糖尿病性末梢神経障害です。

末梢神経障害になると足の感覚が無かったり弱かったりするため、足に傷ができても気づかないままどんどん悪化してしまうことがあります。
ですから糖尿病の方は定期的に足の感覚が正常かどうかを検査する必要があります。これが感覚検査です。

モノフィラメント検査

末梢神経障害をチェックする感覚検査には、

  • 音叉をあててその振動を検査するもの
  • 針を刺して痛覚を検査するもの
  • モノフィラメントという器具を軽く皮膚にあてて検査するもの
などがあります。

今回はモノフィラメント検査についてご紹介します。

■生検(バイオプシー)

生検とは?

体から組織の一部を採取して顕微鏡で何が悪いのかを調べる検査のことを生体組織診断といい、生検バイオプシーなどと呼ばれます。
創傷の中でも皮膚の病気が疑われる場合にこの検査を実施します。
組織の採取の方法には色々ありますが、外科的生検では、簡単な手術を行って組織を切り取り、切り取られた部分は縫合して皮膚を閉じます。
小さな組織採取の場合は専用の針などを使う場合もあります。

生検の手順

生検にかかる時間は通常5~10分で、組織の状態によっては最大1時間かかる場合もあります。
検査前に特に準備することはありませんが、切り取る組織が大きい場合は、出血が止まりにくくなるような薬の服用を数日前から止められることもあります。
検査手順は、まず皮膚を消毒し、局所麻酔を注射します。
注射はちょっと痛いかもしれませんが、麻酔は早く効き、痛みもすぐに消えます。
麻酔を注射したあと、疑われる病気に応じて以下のような方法のいずれかで生検が行われます。

パンチ生検

多くの炎症性の病気や腫瘍などの検査に用いられ、皮膚の全層から細胞の組織サンプルを採取することができます。
小さなクッキー抜き型のようなパンチと呼ばれる器具は周縁が鋭利になっており、それを皮膚から押入れます。
パンチが抜かれるとき、組織も一緒に抜かれます。

薄片(はくへん)生検

脂漏性角化症などの非ガン性の病気が疑われるときや、非黒色腫皮膚がんが疑われる場合の診断に用いられます。
メスやカミソリの刃で皮膚の病変部を薄く削り取ります。

紡錘状生検(ぼうすいじょうせいけん)

ガンが疑われる変わったホクロや増殖物の採取に用いられ、病変全部を切除する場合と一部を切り取る場合があります。
術後は縫合が必要となり、細い線の跡が残る場合があります。

このサイトの情報は下記サイトを参考とさせて頂きました。

株式会社ミレニアメディカル

株式会社ミレニアメディカル

下肢切断と褥瘡を無くしたい「難治性を含む慢性創傷の80%以上を治癒させる」それが私たちの願いです。
ミレニアメディカルは治らない傷を治す、下肢切断を回避するという目的の為に、創傷ケアセンターという専門外来の立ち上げ支援、コンサルティングを行う会社です。

その他の図書館

足のケア図書館
足の治療図書館